My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
「落ち着いてミランダさん、一日で戻るらしいから。それに可愛い格好だし、恥ずかしいことないよ」
「か、可愛いだなんて…っそんなこと!」
「ううん、すっごく可愛い。似合ってるよ。ねぇマリ?」
「…ああ…まぁ…」
兎にも角にも大パニックになる前にと、慌てるミランダを褒めれば別の意味で更に慌てふためく。
そんなミランダはどう見ても可愛らしい猫耳女性にしか見えない。
にっこり笑って雪がマリへと促せば、僅かばかり熱を持った顔を逸らして、ごほんと彼は濁った咳を零した。
「わわわ私なんかが可愛いだなんて滅相もない…!リナリーちゃんのハロウィン姿の方が可愛いわ!」
「え、リナリーも被害に合ったの?…コムイ室長、それ許したの?」
「リナリーは"あれ"だからな。まだ良い方だろう」
"あれ"と言って後方に目を向けるマリ。
つられて目で追った先には、コムイが何よりも被害を恐れるであろう愛しい愛しい妹の姿があった。
しかし一見して何も変わらない、いつものリナリーだ。
「リナリーは何か悪戯されたんさ?なんか普通に見」
「近付かないでラビ!危ないからッ」
「へ?…どぉわッ!?」
やはりコムイは愛しい我が妹には手を出さなかったのか。
不思議そうにラビが歩み寄れば、慌てたリナリーが片手を振る。
と、そこから緑色の発光色が真っ直ぐに飛んできたかと思えば、ラビの足元をじゅっと焼いた。
「え、エ、何コレ。何コレ!?レーザー光線!?」
「わかんないの、私も…っ手から変な光が出て、あちこち物を変えちゃうの…ッ」
「なんさそれ怖ぇ!」
「…あの、リンクさん。そんなキャラってハロウィンにいましたっけ?」
「恐らく…魔女(ウィッチ)じゃないでしょうか。彼女の指先の爪が異常に伸びて曲がっています。記録にある魔女の容姿の一部と一致する」
「おお、成程!…というかなんでそんなにハロウィン詳しいんですか」
「イノセンスの怪奇物を調べるついでに、知ったまでですよ」
「…成程」
イノセンスの怪奇現象には、オカルトものもよく混じっている。
淡々と説明するリンクの言葉は説得力のあるもので、雪は感心気味に頷いた。