My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
「男ってなんていうか…本当、下らない」
「や、あの。オレ見て言うのやめてくんね?オレが命名した訳じゃねぇし」
「そんな反応してる時点でアウト。何、えろい目で見てたわけ兎さん」
「っん、な訳ねぇだろッ寧ろ足!オレ的にセーターより注目度はその足さ!タイツ萌え!」
「………」
「や、あの。その目やめてくんね?なんか傷付くから」
「じゃあ言うなし」
ビシリと指された足で逃げるように、小走りに食堂へと向かう雪。
呆れた目をラビに向けて。
ヒップを辛うじて隠す短めのワンピース型セーターから覗く、柔らかくすらりとした太腿。
生足の肌を隠してはいるが、ぴっちりと張り付く薄い黒タイツは脚の線を際立たせている。
その様はなんとも言い難い色気を纏っているようにも見えた。
(そういう格好してれば、目にも付くっての)
内心だけで零しながら、ラビは足早に雪を追った。
「大体、美脚の持ち主ならリナリーがいるでしょ。見比べないでよ」
「見比べてなんかねぇさ。男ってのはそういう生き物なの」
例え意中の女性であってもあらずとも。
そこに肌を晒した女性がいれば、目で追ってしまうもの。
それが男という、悲しき本能を携えた生き物だ。
「ユウだって男だかんな。女の生肌が目の前にあれば絶対目を止めるかんな」
「は、」
「…なんさその顔」
いつも涼しい顔をしているが神田だって、その本能を携えた男という生き物。
同じ男だからこそわかることだときっぱり言えば、雪は小馬鹿にするような薄ら笑いを浮かべた。
思わずラビもむっとなる。
「知ってる?ラビ。ユウが初めて私のスカート姿を見た時、なんて言ったか」
「…馬子にも衣装とか?」
アレンのような褒め言葉は口にしないだろう。
となれば見下すような言葉が妥当か。
顎に手をかけて考え込むラビに、雪はあっさりと首を横に振った。
「"お前女だったのか"」
「………流石」
「でしょ」
まさか性別確認をされるとは。
予想を上回る回答に思わず称賛。
同じ男としてそこまでいけば、流石としか言いようがない。