My important place【D.Gray-man】
第44章 水魚の詩(うた)
「は…っはぁ…く…」
「ん…ッ…熱…」
雪がイった後も、軽く腰を揺すって余すことなく欲を吐き出す。
温かくて熱くて蕩ける世界。
そこに浸り切るのは凄く心地良かった。
「ユウの…お腹、感じる…」
「っ…雪…」
「…ん」
上気した少し虚ろな顔で見上げてくる雪に、唇を重ねて。
抱きしめる代わりに、繋いだ両手を強く握り締めた。
心地良い。
ずっとこのままでいたい。
でも栄養が足りてない細い体に、この体制はきついだろう。
名残惜しさを感じつつ、肩に掛けていた両足を下ろす為に身を退く。
ゆっくりと欲の治まった半身を抜けば、愛液に混じる白濁色が見えた。
「体、痛んでねぇか」
「ん…大丈夫。……ユウ、」
「なんだ?」
「まだ、ぎゅって…してて」
繋いでいた手を離せば、縋るように見上げてくる。
素直に甘える雪に自然と笑みは漏れて、横になって細い体を抱き寄せた。
お互いに汗だくだったが、吸い付くその肌さえも心地良い。
汗で顔に張り付く髪を梳いて後ろに流してやれば、擦り寄るように顔を寄せてきた。
こういう所が、なんだか小動物っぽく見える。
「好き…大好き、ユウ。大好きだよ」
「…ああ」
わかってる。
俺だって同じだ。
前と変わらない想いを抱いているから。
…だから、んな切なそうな声で云うな。
「俺も雪が好きだ。これまでも、この先も」
これっきりの別れなんかじゃねぇんだから。
「…うん」
噛み締めるようにして伝えれば、まだ少し切なそうな声色をしていたものの。
幸せそうに、雪は緩んだ表情で笑った。