第44章 水魚の詩(うた)

「ん、ん…ふ…っ」

「っは…濡れたままだな。ココ」



何度も舌で愛撫を重ねながら、半裸の雪を再びベッドに寝かせる。
上着の下に滑り込ませた手を太腿の奥へと差し込めば、くちゅりと舌の粘膜とは違う、粘度の高い音が立つ。
一度落ち着きはしたものの、雪の秘部の入口は微かに触れてわかる程に濡れていた。

笑いかければ欲を称えた目をしたまま、雪の顔が更に色付いた。



「俺に触られて感じたのか？それともずっと濡れたままだった？」

「ん…っ」

「言えよ、雪。知りたいから」



充分に濡れそぼっている入口を、指先でゆっくりと撫で回す。
くちりくちりと音が立つ。
そんな微かな愛撫にも反応を見せる雪は、いつもより素直に欲に溺れてる証拠。

折角感情の留め具が外れたんだ。
もっと素直になれよ。

優しく見下ろし問いかければ、唾液で濡れた唇が開く。



「ユウ…の、舐めてた時…から…」

「俺の舐めながら、自分でも感じてたのか」



はっきりとは言わない雪の解答を代わりに答えてやれば、口元を片手で隠したままこくりと僅かに頷く。
照れながらも素直に欲を認める雪に、疼く半身。



「やらしいな、お前」

「ッ…！そ、なん…っ」



煽る言葉に条件反射か、口元の手を外して反論しようとする。
その前に充分に濡れた秘部へ、充分にいきり勃つ自身を宛がった。

雪が身構える間もなく、ぐっと腰を押し進めればすんなりと温かい蜜部は俺自身を呑み込んだ。



「ぁ、あッ」

「っ…やらしくて、そそる」



ずぷずぷと吞み込まれていく。
狭くてぬるつきうねる、雪の蜜壺に。

気持ちいい。
このまますぐに腰を振りたい衝動を抑えて、体中にキスを落とす。

鎖骨の下。
乳房の横。
二の腕の内側や耳の裏。
時折強く吸い付いては、服や髪で隠れて見えない所に赤い華を散らしていく。

本当は見える場所にも付けたいが、今の雪の立場を考えれば俺との逢瀬があからさまにバレるようなことはできない。
だから代わりに、隠れ潜めるように華を散らす。
幾つも、幾つも。