My important place【D.Gray-man】
第42章 因果律
「……っ」
……ああ…そっか…
オレ…同じこと、してたんだ
「ぐす…ッふぇ…」
怪盗Gにした…大人達
美術館の屋上で泣き喚いてたあの警官も
あの足を怪我してたねーちゃんも
きっとオレと同じ気持ちだったんだ
「ふぇ…ぇええ…ッ」
きっとねーちゃん達にもねーちゃん達の世界があって
居場所があって
でもオレが怪盗Gにしたから
してもない罪を背負わせたから
犯罪者にして、その世界を壊してしまった
「ふぇええ…!」
オレも同じだ
このAKUMA達と同じ
同じことを、してたんだ
なのに"助けて"なんて、そんな偉そうなこと
オレが言える訳ねぇじゃん
──ドンッ!
オレの涙を止めたもの。
それは急な銃弾だった。
「んあ? なんだ?」
「その子を放しなさいッ!」
銃弾は着ぐるみAKUMAの脳天を狙っていた。
ド頭に直接喰らったはずなのに、そいつは不思議そうに首を傾げるだけ。
きっとイノセンスって武器じゃないと、こいつらは倒せないんだ。
そしてその銃弾を発砲したのは──
「エミリア…!?」
肩を真っ赤に染めた、エミリアだった。