My important place【D.Gray-man】
第41章 枷
「バズ達も一緒だし。それに此処の人達、皆Gの被害者だから。話せば伝わる良い人達ばかりだよ」
「雪ちゃん…! あんたって奴ぁ…!」
「なんて良い娘なんだよ…!」
「寧ろ此処にいてくれ! 味気ねぇ毎日の恵みだ!」
笑って周りの連中を讃える雪。
そんなこいつに向かって、うるうると目を潤ませて拝み倒すかのように身を屈ませる独房の野郎共。
…なんだこの図。
同じ独房で過ごして仲間意識でもできてんのか。
つーか恵みってなんだ、勝手にこいつを利用すんじゃねぇよ。
オカズにでもしてみろ斬り刻むぞ。
「…神田、殺気漏れてますよ殺気」
「あ"?」
ぼそりと告げてくるモヤシに眉間に力が入ったまま目を向ければ、その腰に抱き付いていたジジ達が顔色悪く俺を凝視していた。
何顔青くしてんだ。
別にお前らを睨んでる訳じゃねぇだろ。
「そんな大袈裟な…」
「いいや大袈裟なもんか!」
「見ず知らずのオレらに、事情も聞かず優しくしてくれるたぁ…こんな娘が嫁に欲しいもんだ…!」
俺が殺気飛ばしてんのは、苦笑する雪に群がって讃えてる野郎共の方だ。
…つか誰だ、今"嫁に欲しい"だなんて言った奴。