第6章 四番隊のお仕事3
「ほとんどが僕の趣味で集めたような物ばかりなんだけど、かなりの数になってしまってね。少し整理をしたいと思いながらなかなか時間が取れなくてほったらかしになってしまった。」
藍染隊長は困った顔で頭を掻いている。
それにしても、趣味でこれだけの書物を集めたと言うことは全て読んでいると言うこと?
「凄いですね……私もよく書物は好きで読みますが、こんなに色々な分野は読めないです。好みの物ばかりになってしまいますから。」
「ははは、僕は気になったら何でも調べたがる性格でね。後は暇なんだよ。書物を沢山読める程ね。」
ははは……と朗らかに笑う。
「では、どの様に整理しますか?」
「うん、このリストに添って整理をしてくれるかい?わからない物はよけてまとめて置いてくれればいいよ。」
「わかりました。後は食事の準備や掃除のお手伝いをさせて頂きます。」
「うん。僕の時間が取れたら直接呼びに来るよ。でも、慣れないうちはあまり頑張り過ぎないように。」
いいね、と念を押して頭を撫でてくれる。
あぁ、またこの感じ……
懐かしい……
そうか、父を思い出すんだ。
優しく撫でてくれた愛しい手を思い出すんだ……
感傷に浸っていると藍染隊長が思い出したように言った。
「君が寝泊まりする部屋は僕の部屋でいいかな?」
「えっ?それって……」
良くないです……と続けようとした唇に藍染隊長が人差し指を当てる。
「夜空いている時間もつかえるし、襖で仕切るから問題ないよね。」
優しい眼差しが今は別人のように見える。
反論は認めない、鋭い瞳に何も言えなくなる。
こうして特別指南の一週間が始まった。