第5章 四番隊のお仕事2
私に任された四番隊の大切なお仕事、各隊の健康確認を先日から先輩の花太郎さんとこなしている。
今日は三番隊にお邪魔することになっている。
「じゃあ市丸隊長に挨拶してこようか。」
「はい。」
三番隊の隊舎に足を踏み入れたけど、十一番隊とは違った雰囲気……
「吉良副隊長、四番隊の山田と瑞原です。隊士の健康確認に伺いました。」
「あぁ、いらっしゃい。宜しくお願いします。隊長は今は部屋にいると思います。」
「ありがとうございます。あとから吉良副隊長の所にも伺いますね。」
花太郎さんが話してた方が吉良副隊長か……。
物静かな感じであまり表情が変わらず感情が読み取りにくい所は私と似てるかも。
ぼんやりとそんなことを考えながら花太郎さんの後に続いて歩いていく。
三番隊は隊舎の中を歩いていても静か……
十一番隊の隊舎はどこにいても他の隊士が大きな声で話していたりして賑やかだった。
時折聞こえる悲鳴にはドキリとさせられたけど……
すれ違う隊士達もどちらかと言うと文官っぽい方が多いのかな?
「失礼します。」
考えているうちに市丸隊長の部屋に着いたようだった。
花太郎さんと一緒に入室したとたん肌が粟立つ。
市丸隊長……
こんなに近くでお会いするのは初めてだ。
チクチクと刺さる様な霊力に圧倒される。
隊長クラスの霊力はどうも私の中の影柘榴の力に影響しやすいみたい。
胸の中が渇望と焦燥感でドロドロになっていくのを感じる。
気を付けないと、隊長クラスに斬りかかるなんて失態は更木隊長にだけで充分だ。