第8章 特別指南 2
朝、目が覚めると至近距離に藍染隊長の美しい顔があった。
はっと気が付けば藍染隊長の腕の中にすっぽりと入り込んで寝ていたらしい。
な、な、な、な、なんで?!
ど、ど、ど、ど、どうしたら?
まさかっと服を確認したら、良かった、ちゃんと着てる。
紳士な藍染隊長に限ってそんなことあるわけない、あるわけない。
いや、紳士じゃない藍染隊長も知ってるけど……
あぁダメだ、パニックになってる。
オロオロしていると藍染隊長の目がゆっくりと開く。
眼鏡をしてないと印象が変わる……じゃなくて、どうしたらいいの?
「やぁ、おはよう。」
枕元の眼鏡を手に取りながら藍染隊長は落ち着き払って挨拶する。
「お、おはようございます。あの、どうして……」
「あぁ、覚えてないのかい?少し酒を飲んだことはおぼえてる?酔ってそのまま寝てしまったんだよ。夜中に気分が悪くなるといけないから、僕の部屋に寝かせたんだよ。」
そうだった!お酒!!
「あの、とんだご迷惑をおかけしまして、申し訳ございませんっ」
青くなって頭を下げると優しいてがポンポンと頭を撫でる。
「僕が誘ったんだし、気にしないように。それに一晩中君を抱き締めて寝て、役得だったなぁ。」
未だ布団の中にお邪魔していることを思い出して、慌てて正座して身を正す。
「す、すいませんでした。私ったら……」
続きは藍染隊長が唇に人差し指を当てて止められた。
「気にしないように。と言ったよ。とても気持ちよく眠れた。これからは毎晩一緒に寝ようか?」
少しいたずらっぽく笑う藍染隊長に無言で首を降り続けた。