第7章 特別指南 1
薄暗い部屋で目が覚めた。
子供の頃いつも夜中に目覚めると、自分が一人なのだと思い知らされ、寂しくて泣いていた。
さすがに学校に入る頃には泣くことは無くなったが、寂しさはいつも胸を締め付けた。
部屋を見渡すと少し離れた所に大きな背中がみえた。
こっちに気づいたようで振り返る。
藍染隊長?
夢だろうか?
近づいて頭を撫でてくれる。
「たいちょう?」
どうして藍染隊長の夢を見てるんだろう?
首を傾げながら考えるがよくわからない。
藍染隊長の顔を見上げる。
どうしてそんな顔をしてるんですか?
切なげな表情で私を見てる。
不意に抱き締められた。
暖かい……
「藍染隊長。」
「いい子だから、もう少し寝なさい。」
布団に横になると掛け布団をかけ直してくれる。
やっぱり父みたい……
夢の中の藍染隊長もこんなこと言ったら男として見てほしいと言うのかな?
求められる事は嬉しい……
何だかくすぐったい様な気持ちになった。
離れて文机に戻ろうとする藍染隊長の服の裾を捕まえた。
どうした?と言いたげな顔で振り返る藍染隊長……
どうせ夢だ。
いつもは言えない事を言ってみる。
「側に居て下さい……」
ちょっと驚いた顔をしてる。
「珍しいね……甘えてくれてるのかい?」
いつもの朗かな笑顔が安心する。
ホッとして笑顔になる私をやっぱり切なげな表情で見つめてる。
「もっと、もっと甘えて……僕だけにそうして笑えばいい……」
唇に優しい口づけも貰ってゆっくりとまた意識が薄れていった。