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【進撃の巨人】 never ending dream R18

第24章 エルヴィン・スミス①


その女性は両手を前で組み、空高く昇る月をじっと見上げていた。



見慣れない顔立ち。



淡い色のワンピース。



長い黒髪が夜風にフワリと揺れる。



まるで凛と咲く花のような美しいその立ち姿に、俺は思わずため息を漏らした。





彼女は俺に気付く事なく、湖へと視線を落とす。



そして、ゆっくりと前を見据え、深呼吸をすると、再び深みのある声で詩を詠い始めた。





今まで聴いた事のない、不可思議な呪文のような詩。





初めて耳にするその詩に、なぜか俺は妙な心地良さを感じた。



そして、初めて目にする彼女のその妖艶な美しさに、俺は一瞬にして心を奪われた。





柔らかな月明かりに包まれ、詠い続ける彼女の姿を、俺は木の影からじっと見つめていた。





トクントクンと、心臓は鼓動を早める。





一体、自分の身体はどうしてしまったのだろうか。





なぜだろう。



気が付けば俺は、彼女の詩をもっと近くで聴きたいと、湖のほとりにたたずむ彼女のもとへ向かい、ゆっくりと歩き出していた。




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