• テキストサイズ

【進撃の巨人】 never ending dream R18

第22章 咽び泣く~違和感~


廊下を歩く足音が聞こえた。



足早にこちらへと向かってくる足音。



私は慌ててベッドの上へとシャツを戻し、刀を持ったまま、部屋の角に置かれた大きなクローゼットの中へと身を隠した。





一体こんな昼間に誰だろう?





息を殺し、私はただ足音が過ぎるのを待つ。



しかし、父の部屋は廊下の端。



徐々に近付く足音に、私はただならぬ予感を感じていた。





案の定、その足音は父の部屋の前で止まり、勢い良くドアが開いた。



ツカツカと部屋の中を進む足音。



私はクローゼットの隙間から、恐る恐る部屋の中を覗き見る。





そこに見えたのは、深いため息をつきながらベッドへと腰を下ろす父の姿だった。





酷く疲れた様子を見せ、頭を抱える父。



それは、私がいつも見ていた仮面を被ったような表情とは違い、追い詰められたような…余裕の無い表情だった。



しかし、私はなぜか父のその表情がとても人間らしく思え、クローゼットの隙間から、父の横顔を眺め続けた。






いつの間にか私の心の中は、目の前に座る父への恋しさで溢れていった。





/ 841ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp