第15章 創痍(そうい)
その夜の中…
医師へ深々と頭を下げた秀次は眠れずにいた…
三輪「…」
遊真「眠れないのか?「秀次」」
三輪「気安く名前で呼ぶな」
遊真「いいだろ?
恵土と結婚して、俺が義理の兄になるんだから」
三輪「…はあ(溜息)
勝手にしろ」
そんな中…
その言葉とは裏腹に、祈っていた…
三輪(姉さん…
どうか、恵土を連れていかないでくれ…
生き延びられるように…
目を覚ますように…頼むから……)
恵土を見やりながら
両掌を握り合わせ、念じるように祈り続けていた…
そんな大規模侵攻(1月14日(木))から
一週間と一日後
2016年1月22日(金)
PM10:57に入院中の修が目を覚まし
2016年1月23日(土)
宇佐美による論功行賞報告が行われた。
宇佐美「ん~。
一番凄いのは、やっぱり恵土ちゃんかな。
ラービット撃破数20」
三雲「20!?」
宇佐美「その他トリオン兵撃破数50(総合230匹の内)
別動隊で動いていたブラックトリガー撃破数5
ボーダー隊員、死人0
民間人、死人怪我人0に押さえた功績(キラン)
文句なしの特級戦功」
三雲「凄い…」
宇佐美「と言っても
当時、ブラックトリガーを回収しなかったのは何でだって聴かれた時
交換して使われたらたまったもんじゃないって説明したらしいけどね。
気を失わせたのに」
三雲「あはは…;
それで、その恵土先輩は?
見舞いにも来てなかったらしいし
気になるんですけど…」
宇佐美「それが…
まだ、意識が戻ってないのよ;(ズーン」
三雲「え?;」
宇佐美「例のブラックトリガー6人いたんだけど
最後の1人が卑怯にも泣いてる子供に手を出そうとして
それを庇って…ずばぁっ!と…;」
三雲「ああ…(確かにやりそうだ;」
宇佐美「それで後ろにのけぞって、肺の損傷は若干減少。
第7~第8肋骨の隙間を通すようにしたけど、肺ごと切り裂かれたため傷は深くてね…
左脇腹上部(脇から12cm下)、
右から左へかけて8cm、深さ5cm。
細かい針で、28針縫ったんだって」
三雲「28針!?」
また再び驚くこととなった