第14章 大規模侵攻
通信室から少し離れた場所
恵土「お。秀次」
三輪「ちっ。何でまだここに居やがる」
恵土「そっちこそ」
三輪「城戸司令からの伝言だ。
命が惜しければ外へ出るな」
恵土「ふっ。
バカ言ってんな。
助けられる命があるのなら、助けるのが私だ。
昔から、ずっとそうだったろ?(にや」
三輪「…ああ;(溜息)
だが、通信機はどちらにもつけておく。
連絡したければすぐにしろ」
恵土「りょーかい」
手を振りながら去っていこうとした直後
三輪「待て」
恵土「?」振り返る
三輪「…人に対して、失望したと言っていたが…
どういう意味だ?」
恵土「…人は、自分のためなら切り捨てたり
好き勝手に言って傷付けたりもするけどよぉ…
誰もがミスするのに、自分だって同様にすることもあるのに
顧み(かえりみ)ようともせずに、人だけ責めるような奴等ばっかだ。
だからこそ、あぁいう同類を受け入れられるんだろうが…
私には、死んだところで無理そうだ。
ハッキリ言うと…
そういう奴等以外、誰もいなかったんだよ。人間には…
勝手に決めつけて、勝手に距離置いて
勝手に悪口やら噂やらなんやらを陰でこそこそと…
それでいながら、そんな事やってないような顔で接してきやがる。
私には、見えちまうんだよ…
見えて欲しくないものまで…
トリオンが強過ぎるあまりにもった
サイドエフェクト、第六感のおかげでな;(溜息)
黒いのが見えれば
陰とかでなんかそういうのをやってたり、悪意を持っている。
白いのが見えれば
そういうこともせず、真っ直ぐに向き合ってくれる。
後者は…
もともと住んでいた村人たち全員だった。
だから…
幼い頃は、なんて世界はきれいなんだろうって…
それが当たり前の世界で過ごしていた…
それを信じて、疑わなかった…
大好きだった…そんな世界も、皆も……
それでも…
全てを奪われた……」
思い浮かぶのは、一人きりで残骸の中
血がおびただしく散っている瓦礫の上で立ち尽くす、幼い頃の姿…