第13章 模擬戦
迅の言葉に対し、三輪は…?
三輪「…今、なんて言った?」
迅「恵土が死ぬ」
三輪「ふざけるな!!
あいつがそう簡単にくたばると思うか!?
第一、あいつには奥の手がある!使いたがらないがな。
それが…何で死ぬことに」
迅「恵土の性格を考えれば解ると思うぞ?
あいつは…優し過ぎる。
たとえ、俺に見えたものを伝えても
きっと、助けられる人がいるなら助けようとする。
自分よりも、何よりもな…
そういう奴だろ?恵土は」
三輪「っ…
信じられるか!(ぷいっ」
そう後ろを向きながら会議室へ行こうとする三輪…
迅「秀次、もし誰かを助けて死にそうになるのなら
一番近いのはお前だ。
南東へ向かえ。
全力で走っても間に合わないぐらいの瀬戸際だと思えよ?」
それに、真顔のまま言い切る
三輪「…何でそこまで恵土に肩入れする?」
迅「そうだなぁ…
俺にとっては、やっとできた大事な奴だったから…かな。
俺の母親に似てるんだ…
世話焼きで、大事にしようとしてばっかで…
そのくせ、自身を投げ出しがちで自虐的で…
そんな恵土の死ぬ姿は見たくないからってのもあるかな…(微笑」
懐かしむような顔をしながら呟いた
迅「…お前もなんだろ?
姉の姿がちらちら見えるって感じで
途中から姉さんじゃなくて
昔から呼んでた姉ちゃんに呼び方が戻るぐらい…
気が付いたら、周りの存在に助けられているもんだ。
心も、体も…(微笑)
どこかで見てくれてるのなら
また再び、死んで出会えるのだとしたら…
恵土の言うように生きて
胸張って会いたいってのもある…
色々考えてるんだよ…
殺された人にとっては
自分のせいで人が死んでいく結果となる。
そんなもの、耐えられないし嫌だって…
そういう気持ちまで考えて行動するのが恵土だ。
たとえ死人であっても、そうしてしまう…
お前の行動が間違いだと言う気はない。
でも…それだけにとらわれて、大切なものを見失うなよ?
失ったものは、二度と帰っては来ない。
過ごした時も想い出も…死ぬまでずっと」
そう言いながら遠くを見つめる目は…
恵土と、よく似ていた…