第13章 灰色のキミと【※】
〜♪〜〜♪
その会話中も携帯は鳴り続けている。
「…だよな。」
『部活行かなきゃ。学校まで一緒に行こ?』
「…ん。」
と答え電話にでる祥吾。
「…はい。…………………。……………寝坊っす。………今から行きます。……っす。」
電話を切ると携帯を投げ捨て私にしがみついてきた。
「いきたくねーーーよーーー。すっげー怒ってる!!まじ殺られる!」
『でも今から行くって言ったじゃん。支度しよ?』
と上半身を起こすと私の腕を掴み嫌だ嫌だと駄々をこねる祥吾。
その両腕を今度は私が掴みよいしょっ!と言って祥吾の身体を起こす。
「…おはようのチューは?」
そう言った祥吾の耳が心なしか赤くなっている気がする。
はいはい、と言い軽くチュとしようとすると祥吾は私の後頭部を抑え深いキスをした。
『……んぁッ…ふぁッ…』
舌をねじ込みくちゅくちゅと音を立て舌を絡めあうと名残惜しさを感じながらもその舌は離れた。
「…ごちそうさまです。……っしゃ!支度すっかー…」
のっそりと祥吾が立ち上がり支度をはじめたので私も制服に着替えた。
洗面所で顔を洗うため廊下を歩くが部屋は静まり返っていて誰の存在感も感じない。
『…お母さん帰ってきてないの?』
と部屋に戻り祥吾に聞くと多分とだけ返ってきた。
二人とも支度をすませ玄関を出る。
自分の家に帰るにはどのみち学校まで戻らなければならないので祥吾と一緒に学校にむかう。
コンビニに寄り祥吾が朝ごはんを買うとそれを食べながら歩いていた。
その道のり祥吾はずっと虹村さんに何をされるか怯えていて過去にされたことを次々に話していた。
あっという間に学校までつく。
「家まで送れなくてごめんな?」
祥吾がそう言って私の頭をぽんッと叩く。
『いいよ!まだ午前中だし…部活頑張ってね?』
と手を振り祥吾を見送った。
少し背を丸め祥吾は校門の中へ入っていった。
(…よし、帰るか…。)
と私は帰路についた。