第16章 審神者の帰還
こうして、あっさりレベル10になった。
ちるちゃんの教えてくれた場所を思い出しながら、移動すると、そこには見知った人が居た。
――正しくは、鶴丸と倶利伽羅のお友達?
そう、悪魔とインキュバス。
レベルも結構高くなってて、すぐ逃げ帰ろうとする。
でも……。
「お嬢ちゃん、可愛いねぇ……?」
「くっくっくっくっ、いいねぇ、その白い羽」
おいおい、今度のモンスターは絡んでくるの!?
うわぁ、厄介だなぁ。
って、これアクティブモンスターのマークがついてる!
凄く、厄介だ。
「ソイツから離れろ」
倶利伽羅が斬りかかるけど、全然効かない。
くっそう、鶴丸が天使のままだったら、どうにかできたのに。
「この子、気に入ったから貰っていい?」
「純白の白い羽……」
ニヤニヤと余裕の笑みを浮かべながら、インキュバスとデビルが近づいてくる。
全員に緊張が走った時だった。
「何をしている!!!」
すーっと飛んできたのは、またモンスター。
でも、大きな6枚の羽に、白と金の豪華な鎧。
絹糸のような綺麗な髪、成端な顔つき。
そう、彼の名は『ミカエル』。
「ここは、この私が引き受けましょう。同胞よ、今のうちにお逃げなさい。貴方がたが腕試しできる場所ではありません」
僕らを庇うように、前に立つミカエル。
圧倒的なオーラと、青色に煌めく美しい槍。
僕は、その姿に圧倒された。