第16章 審神者の帰還
「あ、俺遊べるの今日で最後だから」
「い、忙しくなるのですか!?」
「うん、思った以上に好評だったらしくてさ、VIP枠と課金者枠が続出したから、次のシステムを作るためにゲーム会社が呼んでるんだ」
あ、そうそう。
事前予約をした人には、特別なアイテムプレゼントキャンペーンをやったらしい。
そうしたら、βで無料で遊べるにも関わらず、たくさんの人が課金したり、VIP枠に入ったりしたんだと。
凄いなぁ、優ちゃん。
たった数日でここまで出来るなんて、やっぱり経営力は本物ってこと?
「流石、主! この長谷部にも手伝えることがあれば、どんどん申し付けてください!!」
「そうだなぁ、できるだけこっち(R18禁)のほうで遊んで」
あ、そうそう。
今日五虎ちゃんも一緒に来ようとしてたけど、弟が「今日は仕事だから」ってウォーターワールドに行かせたんだ。
僕を見送る五虎ちゃんの顔が、捨てられた子猫みたいで、凄く切ないや。
ごめんね、五虎ちゃん……。
「主命とあらば!!」
本物の主が来たことで、長谷部のテンションが最高潮になってるー。
これぞ、熱血って感じだよね。
そうそう、長谷部は僕を姫鶴って呼ぶようになったよ。
主命無しじゃ生きられない性分らしいね。