第16章 審神者の帰還
そうして、弟は仕事続きな一週間後。
僕は、一番最初にゲームにログインする権利を得ていた。
しかも、しかもだ。
今日から3日だけ僕らの貸し切り!!
「柊様、ようこそいらっしゃいました!!」
水没庭園のゲート前。
今日は、刀剣全員と弟まで一緒だ。
そうそう、実は動物たちも一緒にVRMMOで遊べる機械を作ってもらった。
正しくは、弟が作らせた。
で、虎くんたちはペットとして登録してるから、そのままの姿。
でも、こんのすけと狐さんはお喋りできる関係で別になった。
狐耳の子供みたいな可愛い姿だ。
擬人化したら、こんな感じだろうね。
「種族をお選び下さい」
案内の人に言われ、僕は真っ先にエルフを選んでた。
その時だった。
「何、この面白みもないテンプレ種族」
「も、申し訳ございません……」
「天使とか悪魔とか、王道だけど人気の種族入れないの? 人魚とか、絶対人気出るよ」
いきなり、弟がそんなことを言い出してびっくりした。
「天使と悪魔は、飛べてしまうと強すぎるので……」
「天使だけ弱点は羽。悪魔は飛べないようにする。それに、悪魔だって魔族にして、吸血鬼と悪魔の2タイプ作ればいいじゃん」
「性能は、どうします……?」
「性能、ねぇ……。強い性能にしといて、月額課金者やVIP専用種族にしとく。で、能力はエルフより魔力が強い」
「そ、それでは暴動が……」
「エルフはそのぶん素早くし、目をよく見えるようにしとく。ビーストは、シーフ用。エルフは、スナイパー用」
「おぉ、流石柊様……!!」
なんだなんだ、結構弟ってゲーム詳しいの?