第16章 審神者の帰還
「あ、姉ちゃん。よくわかんない株買った?」
「う、うん。まぁ、ご法度にならない方法で買ったよ」
「うん、それはわかってる。でもさ、なんで中途半端なの?」
あれ、買っちゃいけなかった?
まずいな、帰国そうそう怒らせるなんて……。
「ごめん、次からは気をつけるよ」
「まぁ、全部買ったからいいけど。次から、中途半端な買い物は止めて」
「う、うん」
どうやら、水没庭園の株を中途半端に買ったのが駄目だったらしい。
あ、そうそう。
株を買って、有力者になったからあんなことできたんだよ。
「まぁいいやー、買った株の内容は?」
「え、えーと。今流行のVRMMOの運営会社」
「実績は?」
「5年間オンラインゲーム大賞を取り続けたBloody Maryっていうゲームを開発してる会社」
「へー、なかなかの条件だね。今度、新作状況を見せてもらうかな。VIPなお客様が飽きないように、新しいサービスを考えなくちゃね」
やっぱり、弟は仕事人間だけあって帰ってきてからも仕事か。
用意された朝ご飯を食べてるけど、ちょこちょこ仕事の電話をしてる我が弟。
忙しい人なんだなって実感する。
「あぁ、そうそう。絶対海の自然を崩さないように。自然含めて、価値があるんだからさ」