白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第24章 ★灰色の黄色の交戦★
黄瀬『...火神っち、1つ確認しときたいんすけど...その金髪美女は誰すか?』
火神『今それどころじゃねーだろ!俺と辰也の師匠だよ!』
黄瀬『マジすか!?』
火神『マジだよ!』
黄瀬『本当に悪いんすけど、この場は収めてくれないっすか。状況は何となく分かるっすけど、次の試合どうしてもアイツとやらせてほしいんす。灰崎は俺が責任持って倒すんで。キセキの世代なんて名にこだわりはない、昔火神っちに言ったっすけど、それでもあんたみてーのにホイホイやるほど、安く売ってねーよショウゴくん』
灰崎『買わねーよ。言ったろ、欲しくなったからよこせっつってるだけだバァカ』
黄瀬『....それと、さっさと零蘭っちを離してくれないっすか?その子はあんたが気安く触れていい子じゃない』
灰崎『てめぇも相変わらずだな。女王様の忠実な犬ですってか?』
黄瀬『いいから離せよ。その子に少しでも何かあれば、どうなるかショウゴくんなら分かってるっすよね』
殺気を滲ませる黄瀬に灰崎は怯みもせず余裕に笑いとばした。
灰崎『はっはっは!ホントお前ら昔からバカみてーに零蘭零蘭うるせーよなぁ?ヤるだけの関係のくせに調子こいて、挙げ句に最後の大会あんなもんまでしてぶちギレられて見放されて!ダッセェのなんのって!!』
黄瀬『っ....』
『.....祥吾』
灰崎『あぁ?』
それまで黙って成り行きを見ていた零蘭だったが、次の瞬間黄瀬と同じくらいかそれ以上の殺気を纏い冷たく言い放つ。
『...身の程を知りなさい』
『『『『っ!!!』』』』
その場にいた全員を後退りさせるほどの威圧が冬の風と共に広がる。その隙に零蘭は拘束を解き1番近くにいた黄瀬の元へ歩いていった。
『私の事はどうとでも言いなさい。だけど、キセキの世代の子達を侮辱するのは許さない』
灰崎『...言ってろ。どうせ今からそこのリョータは負けんだ。この俺によってなぁ』
そう吐き捨てると零蘭達に背を向け、中へと戻っていった。
『っはぁ....』
黄瀬『零蘭っち!』
突然膝から崩れ落ちた零蘭を間一髪黄瀬が支えてやる。その体は小さく震え、殺気を放っていたのが嘘のように弱々しかった。