白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第23章 ★紫色との大戦★
『『木吉先輩っ!!』』
ちょうど近くにいた黒子と零蘭が咄嗟に支えたお陰で顔から落ちることはなかった。
木吉『すまん黒子、白崎...大丈夫だ』
そう言って立ち上がるが、その足も手も震え、明らかに限界が来ている事が誰の目にも見えていた。
木吉『ちょっと躓いて派手に転んじまっただけだ、心配するな...』
リコ『鉄平!あなた本当に...!』
木吉『大丈夫だやらせてくれ...頼む。やっとここまで追い上げてきたんだ。今の流れを途切れさせたくない。まだまだやれるさ、勝とうぜみんなで!!』
思うところはあるものの、全員木吉の願いに答えようと、彼を止めるものはいなかった。
そして、そんな彼に少しでも負担を減らそうと、紫原相手に三人同時攻撃を仕掛ける。と見せかけ、ボールは木吉へ。シュートは外れるが、水戸部の必死の足止めと火神のダンクにより点差は5点にまで縮んだ。
だが誠凛の士気が上がる中、ついに陽泉の最強のCが動き出す。
"お前は楽しくないのか?バスケ"
紫原『(だったや教えてやるよ、バスケがどんだけ残酷なスポーツかって事を...)あーもうこれ以上は無理だわ、不愉快すぎて吐きそうだ。お前らみたいなのが蠢いてるのは。努力だの根性だの信念だの、捻り潰してやるよ全て』
OFに加わった新たな驚異に、誠凛はおろか会場が息を飲む。迫力さえもDFの時より恐ろしくなっている事も容易に理解できる。
降旗『DFの時も迫力凄かったけど、OFはそれ以上じゃないか...!?得意分野は守備じゃ...?』
黒子『紫原くんの気性は決して大人しくありません、寧ろキセキの世代の中でも好戦的な部類です』
『まぁ、なにぶんバスケ自体に興味は薄いし面倒が嫌いだからね。中学後半からはDFに特化してOFには最小限の参加だけ...あの子は本来OFの方が得意なくらいよ』
黒子『特に今回のように逆鱗に触れた試合では一試合で100得点という記録も残っています』
『『『100っ....!?』』』
『まずい...今の敦にOFに出られたら、みんなが...木吉先輩が...』
紫原『教えてやるよ、どんな綺麗事も身も蓋もなくなるような、理不尽を』