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科学班の恋【D.Gray-man】

第80章 再生の道へ



「ァ…アレン…オレ時々思うんさ…科学班って実は生身の人間じゃなくて、コムイに作り替えられた仕事用ロボットじゃねぇかなって…」

「はは…まさか。多分洗脳されてるんですよ。仕事したくて堪らなくなる病的な何かに」

「何その目。最早人じゃないって顔で見てくるのやめてくれない?」



驚愕の顔でふらふらと後退るラビの横で、爽やかな作られた笑顔で笑い続けているアレン。



「南さん、今日の日付わかってる?ほらここ見て。ちゃんと」

「諦めろリナリー。南の頭は……正常、だ」

「何その顔。人を色々と手遅れな人間みたいな態度で接するのやめてくれない?」



何度もカレンダーを必死で指差すリナリーの肩に手を置いて、悲しそうな顔で首を横に振るのはマリ。



「南さん、いくら上司の命令だからって、む、無理に従わなくても、いいいいのよ…!ほ、ほら…仕事は幾らでもあるんだから…!私だって転職を繰り返して繰り返して繰り返して…!」

「わぁあー!お、落ち着いて下さいっス!」

「………」



過去の100回にも及ぶ失業経験を思い出しているのか、顔面真っ青で慌てふためくミランダを、慌ててチャオジーが抑える。
そんな彼らの反応に、南は堪らず無言で隣に立つ神田へと目を向けた。



「俺の目から見ても時々異常だな。お前らの仕事っぷりは」

「…それ貶してる?」

「通り越して寧ろ褒めてる」



神田の口から褒めるとの言葉が出てこようとは。
しかし淡々と感情のない声で棒読みに告げられても、嬉しくもなんともない。



「はぁ…私は生身の人間だし洗脳なんてものもされてないし、日付間違えても手遅れな頭もしていないから。人手足りてない職場だから早く加勢に行かないと。そう思うのは当たり前のことでしょ」

「リーバーさんがそう言ったんですか?」

「…班長は休めって反対してきた」

「ほらみろさ。正常なのははんちょの方!南が仕事中毒過ぎんの!」



はっきりと正論を突き付けてくるラビに、返す言葉がなく、ぐぅっと南は閉じた口の中で呻った。
確かに彼の言う通りだ。

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