第12章 赤い夫とキセキとの別れ
「なんか美桜っちがこうして休んでるの全然見てない気がするっス」
「そうだね。美桜はずっと働いていたからね」
私は1口コーヒーを啜った。
『そう?昨日の夜は爆睡してたけど?だから結構休んだよ』
「爆睡するほど疲れていたってことだよ」
『じゃあ今日は寝かせてね。征十郎』
私は笑顔で征十郎に言った。
「あれ?なんかあるんスか??」
『「涼太は知らなくていいよ」』
「もー!!なんなんスか!」
涼太が少し怒った。
「美桜ー!このお皿ってどこに片付けたらいいー??」
キッチンからさつきの声がした。
『はーい。今行く!』
私はキッチンに向かって叫ぶと、残りのコーヒーを飲んでキッチンへと行った。
「……休憩時間一瞬で終わったっスね」
「今日みんなを見送ったらなんとしてでも休ませるよ………」
涼太と征十郎がそんな会話をしていたなんて私は知る由もなかった。