第19章 赤い夫との出会い
ガチャ
屋上への扉が開かれる。
「待ってたで。東美桜」
『ごめん。遅くなった。新橋あゆみ』
とりまきのリーダー。新橋(にいばし)あゆみが屋上のフェンスにもたれ掛かり腕を組んで立っていた。
「で、呼ばれた理由は……」
『私が赤司くんと話すから?』
「分かってるやん。でもそれだけやない」
『他はなんなん?』
「あのな。赤司様はみんなのものやねん。1人だけが突出してなんかしたらあかん。みんな平等。それがルール……いや、マナーって言うもんや」
あゆみが少し顎を上げて私を見下す。
『ごめん。全然意味わからん』
「は!?!?」
あゆみはフェンスにもたれるのをやめて私の前に荒々しく歩いてくる。
『まず、赤司くんは物じゃない。所有するもんでもない。なのに何?皆のもの?そんな言い方赤司くんが可哀想。それにマナー?ルール?そんなん言うてる前に人権って事も少しは考えたら?』
「あんた……いい加減にしいやっ!!!」
あゆみが右手を振り上げる。私はそれを避けようと横へ逃げようとした時……
パシッ
私の前に腕が伸びてきた。