第19章 赤い夫との出会い
『みんなが怪我するとあかんから私が1人で行く』
「……その言い方やと美桜は怪我しても良いってこと?」
遙がそれは聞き捨てならないと私の前に立った。
『はる……か?』
「その言い方すんねんやったら流石の私でも怒るで」
遙はギッと私を下から睨む。
『ご、ごめん…………』
私は下を向いて謝ったがでも、すぐに遙の目を見て言った。
『でも』
「でも?」
『やっぱり1人で行くわ。自分で蒔いた種は自分で回収する』
「どうせ美桜のことやから意見曲げへんやろ?」
佳奈がにやっと笑いながら言った。
『ご名答。さすが佳奈』
佳奈が親指を立てながらドヤ顔をキメる。
「うちらは教室に残ってるから。でも明らかに遅かったら行くからな」
遙が言う。
『うん。頑張るわ』
ついに放課後になった。
「東美桜」
とりまきの1人が教室へ来た。
『迎えあるんかいな。じゃ、行ってくる』
私は振り返って3人に言った。そしてしっかり前を向いて歩き出した。
「「「ファイト!!!」」」
後ろから3人の大声が聞こえた。私はその声をしっかりと聞き、一歩一歩踏みしめて歩く。