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赤い夫との日常【黒子のバスケ R18】

第17章 赤い夫との誘拐



『電話ありがとう』

「ああ。どういたしまして。とりあえず今はこれを着てて」

征十郎は上半身裸になって私に服を着せた。

『征十郎は寒くないの?』

「別に大丈夫だ」

私は征十郎の横にのそのそと移動して三角座りをした。

「どうしたんだい?」

『寒いから人肌に触れたいの』

「それだけかい?」

『…………征十郎の横に行きたかった、です』

私は恥ずかしさのあまり膝に顔を埋める。

「よく言えました」

征十郎はわしゃわしゃと頭を撫でる。

『頭ぐしゃぐしゃになる…………』

「されるがままのくせによく言うよ」

ごもっとも過ぎて言い返す言葉も無い。そんなこんなでじゃれ合ったりしていると秘書さんが到着した。

〈やあ。持ってきてくれてありがとう〉

〈いえ。大丈夫ですよ。美桜さんは大丈夫ですか?〉

《はい。色々とご迷惑をおかけしてすいません》

私はお辞儀をして言った。

〈服はこちらで大丈夫でしょうか?〉

中を開けるとレディースのスーツが入っていた。靴まで全て。

《はい!!サイズも……ぴったりです!本当にありがとうございます》

私はシャツを取り出して体に合わせながら言った。

〈化粧品も私のですが持ってきたのでご自由にお使いください〉

《ありがとうございます…………》

私は何から何までしてもらって感謝で泣きそうになっていた。
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