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赤い夫との日常【黒子のバスケ R18】

第17章 赤い夫との誘拐



〈クソッ……〉

『ん!?!?』

ふわっと体が中を浮く。

男が私を抱えて走り出す。膝裏と背中に手があるのでたぶん横抱きだろう。

『んー!んーー!!!』

抵抗しようとするが体が全然動かない。

〈無駄だ〉

征十郎が低くつぶやいたのが微かに聞こえた瞬間横に何かがかすった。

〈はぁ!?もう追いつかr…〉

ゴキン

それは私の耳にしっかり聞こえた。男の骨が折れる音を。そして、男の吐血したのが私に少しかかった。

『んっ……』

私は男が倒れるとともに中に放り出されてた。

あ、やばいっ……!!

私は体を少し丸めて落ちる体制をとった。

そして私はその後の記憶がない。








「美桜。美桜」

名前が呼ばれる声がする。いつも聞いている声だ。

私はゆっくりと目を開けた。

『つっ……眩し』

私は眩しくて目を細めた。

『征十郎?』

「ああ。俺は征十郎だよ」

征十郎が優しく私の頬を撫でた瞬間、涙が溢れ出た。

『せいっ……せいじゅっろ…………!!!!』

私は征十郎の首へ手を回して抱きついた。

『こわかっ……だ!!』

征十郎が優しく背中をさする。

「うん。俺も怖かった。大切な人を失うところだった」

『ごめっなさっ…………』

「謝らなくていい。俺も離れたのが悪かった。とりあえず落ち着いて」

征十郎がとんとんと背中を叩く。
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