第17章 赤い夫との誘拐
~美桜目線~
何?
私はだんだんと意識が回復してきた。
車の音がしない。静かだ。ここどこ?
目と口には何かが巻かれていて話せないし、めが見えない。
ギギーー
重い扉が開かれるような音がする。
〈案外容易く捕まえられたぜ!!〉
〈これで赤司征十郎も攫えればこっちのもんだ!〉
〈今頃自分の嫁が攫われて走り回ってんじゃねえの!?〉
……男の声がする。3人ぐらいだろうか。怖い。GPSは気づかれてないからこっちへ来るはず。
〈なぁ。今のうちにあの女犯そうぜ?〉
〈それはいいな!いい体してんじゃん〉
〈起きてっかな?〉
!?!?
嫌。嫌だ。嫌だ!!!
『つっ…………』
お腹に冷たい何がぴたっと当てられた。
〈こいつ起きてんじゃん!〉
〈まあいいや。切るぞ〉
ジャキッ!
『んっ!?』
ジャキジャキと服が切られていくのが音でわかる。
『んー!!んーーー!』
私が暴れようとすると、
〈暴れんなよ?この綺麗な体まで傷つくぜ?〉
私はそう言われぴたっと止まった。
〈こいつ英語分かるのか?〉
〈秘書に就くぐらいだろ?分かるんじゃねえの?〉
〈じゃあさっきの会話も丸聞こえなんじゃ……〉
他の2人の会話が聞こえてくる。2人も近くにいるようだ。
〈やるぞ〉
私の服を切っている男が声をかけた。
〈〈はいよ〉〉
ズボンもじょきじょきと切られて下着姿にされた。足と手も縛られていて動けない。
征十郎!!助けて!!!!!!
私は心の中で叫んだ。