第10章 かけるばいんど✖️
それから偶に彼女は男子部の練習場に我が物顔でやってくるようになった。
女子部はそうやって息抜きをした後の彼女は扱いやすくなると黙認を決め込んだ。
そんな彼女とコトに及んだのは出会って3ヶ月もした頃だろうか。
彼女と比べたら丸太のようにデカイ男子部の部員に普通に混じって片付けをしながら。
「燁ちゃん、彼氏とか作らんと?」
丸太に云われて、ネットを抱えていた彼女は首をかしげた。
家出娘からプチ家出娘にクラスチェンジした彼女は黙って倉庫に歩いて行く。
「まさか彼氏って言葉ば知らんちゅーことはなかよな?」
丸太が云い、部員達がまさかと返す。
及川仲良いだろ、聞いてこいよ、と丸太達に押し出され俺も倉庫に向かう。