第10章 かけるばいんど✖️
「チッ、リア充は爆発しろ」
物騒な捨て台詞と共に足音が遠ざかる。
完全にそれがいなくなると俺の腕の中から彼女は這い出しため息をつく。
古典的な誤魔化しに使われてしまった。
「ありがとうございます」
胡乱に云って彼女は歩き出す。
「どこ行くの?」
放っておけば良いのに云ってしまう。
「どこに行きましょう?」
考えていなかったらしい。
「4号館の講堂?」
窓からの遮光だけさす薄暗い講堂でボールをつく彼女とか呪怨じゃん!
首をひねる彼女を放置していけず結局男子部の練習場に連れて帰ってしまう。
隅っこに置いてくれたら良いと云う彼女は本当に飽きもせず何時間もサーブを打っては自分でボールを拾い又打つというのをひたすら繰り返す。