第11章 バケーション
『・・・っ、い・や・だ・・・!』
「往生際が悪いですよ、残るは貴女だけ・・・。
ほら、潔く諦めて脱いでください」
『別に脱がなくてもいいじゃん。日に焼けるし・・・私ビーパラ持ちながら貝殻拾ってるから』
「日焼けの心配なら無用ですよ。
そんな事もあろうかと月宮先生から100%焼けない日焼け止めを預かってきています」
「ほらほら、もう観念しなさい!
日焼け止めなら私と春歌が塗ってあげるから」
「うんっ。
それに・・・せっかく心羽ちゃんに似合う可愛い水着着てるんだし、ね?」
う・・・!
ぐぅの音も出ないってこう言う事か。
私は女子2人にキャイキャイはしゃがれながらも、渡された水着に着替えた。・・・パジャマから水着に着替えるとか・・・。あ、着替えたのはもちろん女子部屋。
ところがどっこい、いざ着てみればスカート以上のスースー感。特にお腹とかお腹とかお腹とか手足とか。物理的な防御力なんてありやしない。これはある意味自分自身に精神的ダメージだ。
これはいかん。なんかいかん。さすがにいかん!
と言う事で私はクローゼットにあったパンダデザインのパーカーを羽織った。パーカーは割と膝上まであるから水着はすっぽり隠せた。
で。
ただ今女子部屋からコテージ玄関ホールへとやって来て、水着お披露目タイム。・・・なんでみんなこんなに活き活きしてるのさ。
さあラストは私の番。
そして冒頭へ。
『・・・いや、ね。2人から水着を選んで貰って私も嬉しいんだけど・・・なんか、こんな可愛い水着だと私が着られている気がするんだよね』
「大丈夫、エレはどんな服でも着こなせるさ・・・」
「イエス。
コノハはとてもキュートです。ワタシが保証します」
『う・・・その期待値に申し訳なくなってきた・・・!』
「・・・・・・まったく。
これではいくら待っていても埒があきませんね。
貴女の心の準備が整うとは到底思えません。・・・ハヤト」
「にゃーッ!」
\('ω')/バッ!
『、っう、っわぁっ!?』
いつまでもパーカーを脱がない私に痺れを切らしたのか、トキヤは1回目を閉じてす・・・と目を開く。・・・なんか怖いんだけど。
と、思ったら今度はハヤトの名前を呼ぶ。
そしたらハヤトに後ろから抱きつかれた。
・・・無駄の無い特攻・・・!