第6章 アドミッション
「あー、心羽ちゃんだにゃ!!」
はぐっ
『ぉぶっ・・・!』
一ノ瀬くんのお兄さんことHAYATOに呼び出されたその翌日。
私はシャイニング事務所に来ていた。
そして待つこと2分、何者かにハグされた。
「あ、ごめんにゃー。
心羽ちゃんに会えるって楽しみだったから・・・」
『だ、大丈夫・・・。
・・・えーと、初めまして?』
「うん、初めまして!
トキヤの兄の、HAYATOです!」
聞き覚えのありすぎる声。
違うのはテンション。
見覚えのある顔。
違うのは笑顔。
『・・・東椰心羽です。
ちなみに今日は一ノ瀬くんは?』
「トキヤなら、付き合ってられないって断られたにゃー」
『・・・ふーん』
「おっと・・・そろそろ行こっか。
此処だと他の人が見てるし。レコーディングルーム、予約してるんだ♪」
『、うん・・・』
そんでもってレコーディングルーム。
「さーて、何歌おっかにゃ〜」
『・・・』
「デビュー曲にしよっかにゃー・・・あ、でも新曲もいいかにゃあ」
『一ノ瀬くん』
「・・・心羽ちゃん?」
『もういいよ。
フリしなくても』
「・・・えっ・・・?」
『声質が似てるって言ってたけど、そう言うレベルじゃないよ。声が一ノ瀬くんそのものだよ』
「・・・違うよ、どうしたの?
僕はトキヤの、お兄ちゃんだよ」
気丈に振る舞って、平気な表情を貼り付けて。
キャラクターなのか・・・設定なのかは知らないけど、私を騙そうったってそうは行かないぞ青年よ。
『私はHAYATOがどう言う感じのアイドルなのか知らないけど・・・、これでも人を見る目はあるって思ってるよ。現にそうやって一ノ瀬くんと曲作りしてきたんだしね』
「・・・・・・、・・・」
『出会ってたったの3ヶ月だけど、私は見てきたつもりだよ。
一ノ瀬くんの・・・・・・一ノ瀬トキヤって人の事』
「・・・っ、違う・・・よ。
僕は、HAYATOだよ?」
ぷちっ
>>>>心羽 の かんにんぶくろ の お が きれた !