第3章 オーバーフロー
「と、言う事で」
ひょいっ
『、え』
「「???」」
「Miss.東椰の身柄はミーが預かりマース!
彼女に歌わせたいのならば、楽譜と引き換えデス!」
『ちょっと待ってまさか背中のそのワイヤー一本で[グンッ]ぅぎゃああああああ・・・!』
想像だにしない展開。
いや、誰が一言の相談と言うか本人確認も無しにワイヤーアクションさせられる事を想像するだろうか。
もしこれが想定内の人が居るってんなら凄い。
グラウンドに召集されたメンバーもまさかの展開にびっくりしてるようで。
もう既に見えなくなった彼らになんだか申し訳なくなって後程謝ろうと思いました。まる。
『うーぁ、ジェットコースターの方がまだマシだ・・・』
「刺激が欲しいのならいつでもやってあげマース」
『激しく遠慮しとくに決まってんじゃないですか。
・・・で、なんでこんな回りくどい事を?』
「ム、つれませんネ・・・。
・・・ズバリお聞きしマスが・・・、あのメンバーをどう思いましたか?」
あっという間に学園長室。・・・抜け道怖い。
来客用らしきふかふかソファに座らされて、早乙女学園長は聞いてきた。ついでに手渡されるココア。
・・・この人変なとこで紳士だな。
『ども。
・・・そーですね、いい声してるんじゃないですか。
私的にはエロボの神谷さん居たら発狂してますけど。でも声優さんが声優さんなので暇犬が声ネタやりますよ、確実に』
「オーウ、それは楽しみデスネ!
・・・では、彼らの中でパートナーを組みたいと思ったのは誰デスか?」
『誘導質問なら引っかかりませんよ。
私は誰ともパートナーは組みません』
「ムムム・・・ガンコですね。
その理由も教えてくれないのデスか?」
『早乙女学園長、あんまりしつこい人は嫌われやすいですよ?』
「・・・ムゥ・・・。・・・?」
バタバタ・・・
ガチャッ
「音也、せめてノックくらい・・・!」
「あっ、居た!!」
「楽譜持って来てないのでダメダメダメなのよー!!!」
『いやだからちょっと待ってワイヤーやめ[グンッ]ぅぎゃああああああ・・・!』
本日2回目。
ワイヤーアクションをするスタントマンは本当に凄いと心から思いました。まる。