第16章 フィーリング
夕方。
と言うか、夜。
時刻は7時。
お化け屋敷から出て、私達はその後めちゃくちゃ平和に遊園地を楽しんだ。
ゴーカートとかコーヒーカップとか、メリーゴーランドとかジェットコースターとか・・・名前忘れたけどものすごく楽しめた。
どれ乗っても寿さんは笑顔で楽しそうだったし、かく言う私も楽しかった。
楽しそうに嬉しそうに私と一緒にアトラクションを回ってくれる寿さんを見てるのも。
そんな寿さんを見ながら一緒に行動するって言うのも。
『ふう、かなり回りましたねー・・・』
「ふっふーん♪
色々回るのもいいけど、やっぱりラストはここだよねっ」
ここ。それは今さっき乗り込んだ観覧車。
食べ物やら飲み物の持ち込みはOKらしく、私達は観覧車の中で夕食を食べる事にした。
『定番ですよねー、観覧車って。
よく観覧車のてっぺんで告白して見事カップル成立とか』
「うんうん、よく青春ドラマで見るよね!
・・・って、ずっと思ってたんだけど・・・ひとつ聞いていい?」
『?
はい、なんですか?』
「このちゃんってさ、男の人とかに免疫とか・・・あんまり無い?」
『、え』
ジンジャエールを飲んでいた寿さんにそう聞かれる。
まさかいきなりそんな事を聞かれるとは思ってもみなかった私はチョコチュロスを食べていた手を止めた。
「なんて言うかさ、なんとなくなんだけど・・・ぼくがこのちゃんの手を繋いだりジェットコースターとかで隣に座ったら身体を強ばらせてる気がしてさ」
『え・・・そう、ですか?』
「うん。
ちょっと隣座るよ?」
そう言って寿さんは向かい合って座ってた私の隣に座った。
観覧車のゴンドラ(?)の中はそんなに広くないから、隣り合わせで座れば体がくっつくのは当然で。
『、近いです・・・』
「はは、まあ観覧車だしね。
・・・あ、ほらまた強ばってる」
『寿さんがそう見えてるなら、強ばってるんですね私・・・。言われなきゃ気づきませんでした』
「無意識なのかもね・・・。
・・・ねえ、心羽ちゃん」
不意にニックネームとかじゃなく名前を呼ばれて、心臓が跳ねた。
・・・え、なに。
寿さんのイケメン度数が上がってるんだけど・・・!?