第16章 フィーリング
『、っくしゅ!』
「っ、とと・・・大丈夫?」
『はい・・・。
誰か噂してるのかも。・・・にしても、お客さん少ないですねー』
「まあ、シャイニーさんの所有地だからよっぽどの物好きしか来ないからね」
『え?』
「あ、けど大丈夫だよ。
今日はノーマルな遊園地レベルらしいから!」
ちょっと待ってノーマルなって何?
遊園地にノーマルとかハードとか、難易度あったっけ。そして今日は、って?らしい、って??
・・・・・・いやでもあの早乙女学園長が所有してる遊園地だからなあ。名前も早乙女キングダムだし・・・。
よーし、楽しむぞー!とゲートの向こうのアトラクションを眺める寿さん。
私も園内のパンフレットを見て地図を確認する。
『えーと・・・彗星ノ如ク(ジェットコースター)、廻レ蓮華(コーヒーカップ)、妖精ノ集イ(メリーゴーランド)、異界ヘノ導キ(お化け屋敷)、真ナル道標(ミラーハウス)・・・・・・etc・・・』
「最近リニューアルしたついでにアトラクションの名前も内容もグレードアップしたらしいからね・・・。シャイニーさんってば相変わらずだよ」
『・・・ですね。
ネーミングセンスが素晴らしすぎて、私にはアクションゲームの技の名前にしか見えません・・・』
「あはは、確かに!」
『寿さんにお任せしていいですか?
私は苦手とかあんまり無いので』
「そっか。
じゃあ・・・近いのからどんどん乗ってこう。
今日は人少ないし、そんなに混まないと思うし」
その言葉に頷いて、ゲートに向かう。
・・・やっぱ高いのかな。
早乙女学園長の事だから決して巨額にはしないと思うけど、安くも無さそうなイメージがあるんだけど・・・。
と、自分の財布の心配をしている内に寿さんは私の手を引いて財布から2枚のチケットを取り出した。
そして受付の人に渡して、ゲートをくぐった。それはもう、すいっと。
『・・・、って・・・えっ!?』
「ん、どったのー?」
『こ、寿さん・・・今のチケット・・・・・・』
「ああ、ペアチケット?」
『い、いつ買ったんですか?
私達ついさっき来たんですよね?』
「あれはねー、grayちゃんからデートのお誘いメッセージが届いてすぐに購入したんだ♪」
えへっ☆と御機嫌な様子で言い切った寿さん。
・・・なん、ですと・・・?