第4章 え…
もはや、奪い返すことは不可能だった。
だが、祐が自分の弁当を……。
そう考えるだけで、体が熱くなった。
「ま…まずいかもよ?」
緊張で震えた声で祐に尋ねる。
「ん、美味いよ。冷たいけどな」
胸の奥底から何かが溢れ出てくる
ような感じがした。 つまり、嬉かったのだ。
唯「だってさ〜良かったな」
「まぁ、勝手に食べたんだけどね」
香「冷たい焼きおにぎりw」
「でも、ありがとう!」
心からの言葉だった。 自然な笑顔が花を咲かせる。
(かすかに祐の耳が赤くなったのは
自分の妄想かな)
「ん?でも…一番おいしそうなやつ食べ……
ま、いいや〜。」
香「いいのかっw」
唯「面白いわぁ〜」