第3章 強制的同居生活
「とにかくさ、これで納得しただろ? そろそろ俺をそっちへ戻してくんない?」
「え……あ、でも、どうやって」
「ハァ……さっきやっただろ?“呼び戻す”のボタンを押せばいいんだよ」
「これ?」
言われるままに鈴花はスマホの画面の“呼び戻す”ボタンをタップする。
次の瞬間。
「……キャッ!?」
カメラのフラッシュを浴びた時のような眩しい光が瞬き、鈴花は咄嗟に顔を腕で隠す。
――ギュッ。
光が収まったと思うや否や。
逞しく生暖かい何かに全身を包み込まれた。
「……やっと帰ってこれた」
「……?」
さっきまで誰も居なかった背後に人の気配を感じて、鈴花は振り向く。
そこには“にんまり”と厭らしい笑みで鈴花を見つめる、虎之助の眼差しがあった。