第1章 肉食系俺様男子の場合
男に対しての理想が高すぎるのも原因の一つだろうか?
鈴花の中で
彼氏=欲求不満解消
…の方程式が成り立っていた。
「じゃあ、もう会うこともないでしょうけれど。さようなら」
「あ、あぁ……」
あまりにもあっさりとし過ぎている鈴花の態度に、元彼となった男は頷く。
しかしその唇は何か言いたげに、開いては閉じていたのだが……背を向けた鈴花は気づかない。
いや、気付いていたとしても、彼女の反応は変わらなかっただろうが。
◇ ◇ ◇
「あー……ヒマ」
デートの予定がキャンセルされてしまい、鈴花は適当にファーストフードの店でコーヒー片手に時間を潰していた。