第2章 ~1日目~
鈴花の言葉に相槌を打ちながら、横からスマホの画面を覗き込んでくる。
「……近い、離れて」
警戒心をプンプンに振り撒きながら、鈴花は布団の上で後ずさる。
そこへすかさず、虎之助は鈴花との距離を縮める……どころか。
華奢な腕を掴み、グイッと引き寄せた。
「そんなこと言っていいのか? アンタの言動によって、俺の好感度が反応するのに」
「え…?」
言われて手にしたスマホに視線をやれば、ハートのメーターのラインが真ん中だったものが少し減っている。
更には画面に映し出された虎之助の表情まで、不機嫌そうに歪んでいた。
「お試しとは言え、今日から俺の恋人になるんだ。せいぜい楽しませてくれよ? 鈴花」
「あっ…!」