第4章 シリウス・ブラックとの出会い
私はある部屋をノックする。中から優しい声で入るように言われる。
中を開けるといつもはモノで溢れている部屋が綺麗に片付いていた。
「…………ルーピン先生」
「やあ、ケイン。そんな顔をしてどうしたのかね。いつも笑顔の君らしくない。」
「…………すみません」
「君が謝ることなんて何もない。君はやることをした。君がいなかったら、私は今頃傷だらけだった。それか運が悪ければ死んでいたよ。あの森は危険だからね。ありがとう。」
「…………でも、私は先生にここにいてほしかったです。」
「ありがとう。君みたいな優秀な生徒からそう言われるのは嬉しいね。」
頭をぽんぽんとしてくれる。
「さて、そろそろ行かないと。さっきハリーも来てくれてね。君と同じしんみりとした顔をしてた。」
頬をむにーとつねられた。
「私は君が笑ってくれた顔の方が好きだよ。また会おう、ケイン」
そうして、リーマス・ルーピン先生は学校から去っていった。