第6章 人の名前を覚えられなくなったら、もうすぐオッサン
目をつぶったのはいいが、いくら経っても何も起こらない。
恐る恐る目を開けた瞬間、銀時は抱き締めていた手を離し、私のこめかみに握り締めた拳を当てた。
『??』
不思議に思ったその時、銀時は私のこめかみに当てた拳をグリグリとこすりつけた。
いわゆる、グリグリだ。
『いだだだだだだだだだだだだだだ!!!!』
銀「テメェ、今の今までどこほっつき歩いてたんだぁ!?」
『ゴメンって謝ってんかぁぁぁ!!!』
銀「どこに雲隠れしてたぁぁ!!」
『じ、自分探しの旅に出てましたぁぁぁ!!
てか、痛いから、痛いから離してくれぇぇぇ!!!!』
銀「何が自分探しの旅だぁ!!何か見つかったのかぁぁ!!」
『何にもぉぉぉぉぉ!!!
いきなり強くするな!!!!』
周りにいる人に押さえられて、なんとか銀時は止まった。