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ONE PIECE短編(仮)

第9章 (サンジ、ロー、ゾロ、分岐、後編、一部18禁)


「あの、強いて言えばその『欲しい理由』をお聞かせ願います」
「気に入ったから」

何が不満なのかと言いたげなローに対しりんは不安を覚えた。

「…そんなに不安なら感じなくしてやろう…『Room』」
「?!」

ブゥンと青い光がローを中心に広がり、りんは頭を掴まれた。

「さぁ、おれの目をよく見ろ」
「ぇ、あの…」
「見ろ」

ローはりんの目を近くで覗きこみながらなにかを呟く。
聞き返したいのに、何故か口は回らないし頭がぼんやりしてきた。ぬるま湯に浸かって、どこまでが湯でどこまでが自分か判らなくなるような、それに近い感覚を感じながらりんはゆっくりまばたきをする。

すると、意識がはっきりしてくる。

「……今、なにが?」
「何も。で、付いてくるよな?」
「いや、それh『ええ、もちろんです』」

自分の口から出た言葉に驚く。どうして勝手に動くのだろう。それよりもついて行くことを了承してしまった。

「…少し、かけ方が甘かったか。まぁいい」
「あの、何が…」
「おい、シャチ!ペンギン!」

ローが店のドアを振り向きながら大きな声を出した。
ちりん、と鳴りながらドアが開く。

「船長、説得できたんすか」
「わーお!確かに綺麗な娘っすねー。で?何を運ぶんすか?」
「店の中全部。あと家が別場所だとよ」

次々と同じ服を着た者達が店内にはいり、店の物を外に運び出す。

「ちょっと待ってください!私は…」

りんが立ち上がるとサングラスを掛けた男が首をかしげる。

「あれ?船長、説得出来てないじゃないっすか」
「説得はしてない。『かけた』」
「えー?!」
「めんどくせぇんだよ。『かける』のが楽だ」

すると帽子を目深に被った男が言う。

「それにしては人格が残ってますね?」
「かけ方が甘かったらしい。なるべく元のを残したかったからな。いずれかかりきるだろ」

オロオロしているりんにサングラスを掛けた男が話しかけた。

「これからよろしくな。おれはシャチ。こっちはペンギン」
「わがままな船長ですまん。辛い思いはさせないから…多分」

会釈するように頭をさげ、挨拶される。りんは次々と運ばれてしまっている店の物を前に手が出せないでいた。

「おいりん!家に案内しろ。そっちも運ぶ」
「ローさ『はい』」
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