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ONE PIECE短編(仮)

第7章 (ロー、シャチ、ペンギン、キス)


じっと海の彼方を見つめるりんをペンギンは
後ろから抱き締めた。

「む?」
「寒いだろ。こうすれば暖かい」

その言葉にりんはぐるりと体を反転させ、ペンギンの体に腕を回した。

「ぺん、あたかか?」
「そうだな。暖かいよ」
「あたかかー!」

言い間違いを可愛く思ってしまうのは、親バカなのだろうか。あえて訂正はしない。

「…さ、もう寝よう。シャチのところに入るか?ベポの所も暖かいだろうな」
「べぽ、ぎうぎう。ローだめ?」
「船長は起こしたら怖いしなぁ。おれと一緒に寝ようか」
「ん!」

返事と共に両手をあげて抱き上げてもらう準備をするりん。この抱き癖もいつか治さないといけないが、今はまだいいだろう。
抱き上げると眼前にくるりんの鼻先にペンギンはなんとなく、キスをした。きょとんとしたりんの顔が面白くてもう一度鼻先にする。

「ぺん、おーじさま?」
「ん?」
「ロー、ここおーじさまする」

言ってりんは自分の唇を指差す。どうやらりんにとってキスは『おーじさま』と言うらしい。

(船長ロリコ…いや、うん)

「しあちはこことこことここもここも…いつもいっぱいおーじさまする」

額、髪の毛、頬、瞼と様々な箇所を指差す。途中、首筋や太ももだとかも指差した気がしたが深く考えないようにした。

(船内に二人もロリコンがいてたまるか。しかも一人は重度なシスコンも併発してるとかナイナイ大丈夫。多分)

「ぺんもおーじさま?」
「そうだなぁ、王子よりは親か…保護者の気分だな」
「むー?」

意味がわからなくて首を傾げるりんにペンギンは

「すっかり冷えきったな。寝よう」
「さむさむ?」
「そう。さむさむ」

船内にはいり、大部屋へ向かった。





「おーい。りん、ペンギン、朝だぞー」
「…ん、あぁ起きる…」
「…んむー。おきう?」

ペンギンとりんがハンモックから順番に降りると、呼び起こしたシャチに謝られた。

「ごめんなーりん。おれ夜起きなかったんだな。ペンギンに連れていって貰えたか?」
「ぺん、そとみた!ない!」
「あー。まだ遠いよな…明日には着くか?」
「予定ではな」
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