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合同企画 【相合傘】 R18

第2章 今宵月が見えずとも


「はい、こっちが辰也君の分でこっちが敦君の分ね。いつもありがとう。また来てね!」

彼女の笑顔に見送られて店を出る。アツシがこの店を贔屓にしている理由がなんとなくわかる。厳しい練習の後でも、あの笑顔からは元気を貰える気がするからだ。もっとも、アツシにとってはケーキの方が重要みたいだが。

「室ちんてさぁ〜、甘いものそんなに食べないのにあの店のケーキだけは別だよね〜」

「あの店のは甘過ぎなくて美味しいからね」

「……ふーん、そんだけ〜?」

「どういう意味だい?アツシ」

「ん〜、別にぃ〜」














アツシは時々、妙にカンが鋭い。
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