第11章 闇の世界と光の世界
『優馬!あれを!』
上風「ほい来た!」
優馬はポケットから小さな四角い物体を投げた
今井さんから貰った携帯電話
近くの壁に長方形の形に札を張る
かなり大きく
僕はその中心に携帯電話を投げつけた
投げつけて当たった所から黄緑色の空間が広がる
赤「出来たか?」
『おそらくね』
黄「よし!それじゃ!」
揺れの大きさが増した
『!空間固定結界!!!!』
空間の揺れが最初よりも収まった、が
『ウグッ!もた、ない!!』
体には鋭い痛みが走る
崩壊が予想以上にも早いため
結界が間に合っても術が長く持たないのだ
黄「!皆、今から言う事をしっかり聞いて!」
赤「さっきコイツらにも言われたと思うが絶対に振り返るな!この先に白い光が見えるはずだ!そこまで全力で走るんだ!」
上風「氷がここの空間を少しだけ延長している!氷ためだと思うのなら早く此処から出るんだ!」
麗「氷月、お供しましょう」
『いいの、かい?始末、書、とか、は』
麗「空間の崩壊に巻き込まれても、死神は死にませんしね」
『はは、そりゃ、いいね』
黄「はやく!!!」
赤「火真!凍真!電真!彼らの道案内に!」
火・凍・電「「「御意!」」」
3匹は空間の中に入り前を走る
それに続くかのように皆は出て行くが
仁「氷月!」
『早く!行って、ください!!』
幸「置いてなんか行けない!」
『そう思うのなら!早く行ってください!』
黄「氷月がここの空間から出たら一瞬で消える。だから早く!」
赤「そうすれば俺達もすぐに行く!優馬も行け!」
上風「クッ。わかった」
優馬は悔しそうに出て行く
僕の風の呪文を唱える
そして、残ったメンバーを強引に送った
仁「氷月ーーー!!!」
仁王君は手を伸ばした
届くわけがなく僕は笑顔で返す事しか出来なかった
少しして凍真達が帰ってきた
火「皆さんは無事に出られました」
電「お急ぎを」
凍「変わりましょう」
『いえ、最後まで』
僕らも滑り込みで壁の空間に入る
振り返ると先ほどまでいた空間は闇の世界になっていた
闇の世界になった空間の亀裂にヒビが入り砕け散った
それは最後の光景だった