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仕事は幽霊退治

第11章 闇の世界と光の世界


黄「ニャロ!」

赤「クッ!」

2人は空中で体制を戻した

『カハッ!』

僕は彼らの結界に思いっきり背中からぶつかった

肺の中の空気が一気に抜けたように感じた

凍「氷月様!」

『大、丈夫。結界は?』

凍「問題ありません」

『なら、いい』

僕は立ち上がり前を見る

少し霞んで見えるがそんな事を気にしてられない

ドクンッ!!!

心臓が大きく跳ねた

喉の奥から鉄の嫌な臭いがこみあげてくる

『ガハッ!』

手で押さえたものの、かなりの量だ

『ハァ、ハァ、ハァ』

凍「氷月様」

『わかっている』

前では炎方と雷地が相手の気をそらしている

僕は息を整えながら深呼吸を繰り返す

仁「もういいんじゃ氷月」

『僕の仕事は此処でくたばる事ではない。皆さんを無傷で返す事です』

自分でもわかっている

仁王君の声は苦しそうだった

それは僕のせいだ

罪悪感が残るけど彼らを後にして

ゆっくりと香波の所へ歩く

考えるんだ

手っ取り早く抑えて、彼女を消す

たったこれだけの事だ

もう、ためらってなんていられない

やると決めた

初めて人間を此処まで好きになって

好きな人間のために守りたいと思った

だから、迷っている暇なんかないんだ

『9割!』

ドクンッ!!!

痛みで意識が飛びそうになった所をなんとか持ちこたえた

だけど、足元はぐらつき膝立ちの状態になる

左胸をより強く抑えて

『ッ......!』

息が出来ないくらいの痛み

『ハァ...ハァ...』

僕は両手を胸の前で合わせ、呪文に入る

これしか、方法はない

香波の意識が暴走をしている以上

この全ての空間はもう持たない

だから、早く終わらせるんだ

空間が崩壊する前に

出口が閉じる前に!

『我、結界を統べる者なり。悪しき力を封じ、浄化する者。我が目の前にある、その力を今ここで封じる!』

両手を鳴らして地面に付ける

香波の足元に大小異なる2つの陣が出来る

小さい陣からは拘束術の紐が香波を絡めとる

香「こんなのッ!」

抵抗をしているようだが

香「なんでっ!!」

その手に持っている大鎌では全く切れない

触手も拘束術によって固められた

大きな陣からは円柱の結界が張られる

これでもう、香波は逃げられない
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