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時と光と風の中で

第6章 恋の策謀事件(上)


そしてあっという間に放課後になった。アフロディティーはガイアとウンディーネと寮監督のギュム先生の部屋を訪れていた。
「失礼します。」
3人でノックをしてドアを開けるとギュム先生は机に向かって何か書物をしていた。
「あら、珍しいわね。どうしたの?」
ギュム先生はにっこりして3人を招いてくれた。
アフロディティーは先生に昨日のことを話した。先生なら何かわかるかもと思ったからだ。
「なるほどね。でも寮の出入りのドアはいつも私が見張っているけれど男子生徒なんて来なかったわよ。もし男子生徒が来たとしたら事情を聞いて対処するわね。」
「そうですか・・・。」
アフロディティーはがっくり肩を落とした。
「でも、もしかしたら窓から侵入したとか?はぁ・・・私としたことがこれは私にも責任があるかもしれないわね。」
ギュム先生はため息をついた。
「そんなぁ、先生に処罰は下りませんよね?」
ガイアが残念そうに言った。
「わからないわ。でも生徒の部屋の中まで見張るなんて寮監督でも無理だもの。そこはプライベートってものがあるじゃない?でも監督として行き届いていなかったと判断されれば処罰は下るかもしれないわね。」
ギュム先生は首を横に振りお手上げのポーズをした。
「もし処罰が下るとしたらギュムナスティケー先生は寮監督を降りるのでしょうか?それと処罰は誰が決めるのですか?」
ウンディーネが困惑した表情で先生に質問した。
「処罰は校長先生が決めるのよ。だって学校で1番偉いお方でしょう?それと処罰が下ったら・・・そうかもしれないわね。そしたらみんな、ごめんなさいね。」
「えええ?」
3人ともがっかりして俯いた。
「大丈夫よ。校長先生に話せばきっとわかってくださるわ。それにしても誰が盗んだのかしらね?あなた達の周りで思い当たる節の生徒はいないのですか?」
ギュム先生は3人をなだめて言った。
「わかりません。アマイモン君やエリゴス君、サタン君にも聞いたんですけど違うって言うので彼らを信じようと思います。それに彼らの目は真剣でした。なので嘘じゃないと思うんです。」
アフロディティーが必死に訴えた。
「うーん。厄介なことにならなければいいわね。」
ギュム先生と3人の女子達はしばらく考え込んでいた。

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