第7章 おかしな烏野高校排球部
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「さてっ、と」
よっこらせと呟きながら膝を叩いてゆらりと大儀そうに立ち上がったのは、伊鶴の兄、瀬戸鴨一であった。
「んー…冗談だとは思うけど、ちょっと本気で伊鶴戻って来るまでに帰らないといけないかなぁ~。まぁバイトまだあるからホントに帰らないといけないわけなんだけど」
鴨一は唇を尖らせ、後頭部を掻く。やれやれと言葉を吐く鴨一に、影山は目を丸くする。
「あの、何か買いたい物でもあるんですか?」
「ん?何で?」
「いや、その、何となくですけど、鴨一さんはお金に興味無さそうな感じがして…」
影山の言葉にいち早く反応を返したのは、月島の鼻笑いだった。
「あのさぁ、お金が勝手に親の貯金にいったらそりゃあ誰でも困るに決まってるデショ?それにお金に興味が無そうなんてのも随分勝手なイメージだねぇ」
「うグッッ、るせぇボゲッ!!」
「やだね~~これだから王様思考の人はぁ~~~~」
「お、くぁwqでじgふぃr~~~!!!」
「落ち着け影山!!最早言葉になってないべ!!」
怒りによりの人の言葉が流され、月島に向かい拳を振り上げた影山を、菅原が慌てて羽交い絞めにする。しかし影山は、諦める事なくぶんぶんと両腕を月島に向かって振り上げ続けている。
「はっはっは。元気があって良いね~。若い内に騒いでおくの一番さ」
「え?お兄さんだって若いじゃないですか!」
日向の言葉に、鴨一はヘラリと気だるげな笑みを浮かべて自身を指差す。
「えー?だって俺二十歳越えよ?みんなからしたらおじさんだろ?」
「でも十分カッコいいッスよ鴨一さん!!」
「俺も鴨一さんみたいな人憧れるっス!!」
「わはは。龍くんもノヤくんも素直だねぇ。そういうとこ、忘れちゃダメだよ?」
「「? ウッス!!」」