第9章 計算と本音【澤村 大地】
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事後
すやすやと眠る彼女の前髪を
そっとかき分ける。
汗ばんだ額がまだ熱を持っていて愛おしい…
愛おしさとは裏腹に
反省の気持ちが込み上げてくる。
また甘やかしてしまった…
今日の〇〇の初心なふりはなんだ!
けしからん。
ついついのせられてしまった。
まだまだ心の修行が足りん。
鍛錬せねば!
本来『だめぇ!』とか『ストップ!』
なんて言うわけないからな。
『もっとぉ!』ってせがんでくるはず。
「うーん…
だがしかし、よかった!」
『ん〜…大地ぃ、好きぃ♡zZZ』
「!!!//」
実は初の修羅場を迎えて
テンパって本音が露になってしまった〇〇。
今日だけは取り繕うことが出来なかったらしい。
澤村が(初心な)ふりじゃないことに気づく日は
そう遠くない…
*終わり*